2012年08月22日

サイレントヒル



監督 : クリストフ・ガンズ
出演 : ラダ・ミッチェル、ジョデル・フェルランド 他

Silent Hill / 2006 America

これはお見事な
オカルト+クリーチャーの素晴らしい世界観。
"超傑作"として名高い同名ゲームの映画化作品ですが、
未体験の僕にもしっかりと楽しめました。

-あらすじ-

夢遊病の娘が発する言葉「サイレントヒル」
それは実在する封鎖された街の名前だった。
続く地下火災と雪の様に降りそそぐ白い灰…
廃墟の街に訪れたローズは娘の姿を見失ってしまう。
サイレンの響きと共に始まる想像を絶する世界の変貌…
狂気と混沌の中で"闇"の根源が徐々に姿を現していく。

ってな感じの
かなり特殊な環境でのクリーチャー・ホラーです。
時間制限付きの地獄に飲み込まれる様な感じで、
"闇"の時間帯はかなり絶望的な恐怖感がありますね。

世界観は見事に完成されていて、
それが何段階かに分けらているのがミソでしょうか。
初見では混乱しそうにもなりますが、
映像(色)にはっきりとした差異が付けられていて、
とてもわかりやすく演出されています。

映像面では全てが素晴らしく、
廃墟のロケーションから"闇"の腐食した異世界感。
どちらも胸の踊る様な興奮を感じます。
クリーチャーはスタイリッシュでおぞましく、
尊厳すらも感じさせる絶対的な存在感。

※ゴアな表現はCGの使用と全体像をぼかす事で
適度に綺麗な描写になっていますので、
衝撃はあっても気持ち悪くはないと思います。
この辺もA級作品としてソツがない。

謎を追う演出にはかなりゲーム作品っぽさが出ていて、
とても良い雰囲気です。
是非とも原作ゲームをプレイしたいですね。

そして音の使い方がまた上手い!
音楽や効果音の編集が良いのは勿論なんですが、
オカルティックなセリフの響きが実に素晴らしい。
舞台演劇の様なセリフ回しの場面があるんですが、
鳥肌の立つ力強さで迫ってきます。
これは計算の上で言葉を選んでいると思いますね。

物語で肝要な要素としましては、
「本当に厄介な敵は人間である」という事でしょうか。
"悪魔払い"を信奉する狂信者達が全ての元凶であり、
また、真に恐ろしい存在…
いや、真に恐ろしい存在はまた別に現れていますね。
そこがオカルト・ホラーとしての本懐でしょう!

そうそう、
全体的にしっかりとしたオカルトな雰囲気があって、
その上で親子愛や人の狂気が入り混じり、
唯一無二の嫌悪感やカタルシスが…
クライマックスなんて神々しさすら感じさせますよ。

見事。いや、お見事。
何度みてもこの世界観には飲み込まれますね。
オカルト・クリーチャー・ホラーのひとつの到達点、
完成系とまで言えるのではないでしょうか。

素晴らしい傑作に拍手を!

☆見所としましては

特筆すべき要素が多い紛れもない傑作ですが、
なによりも異質な映像美をお勧めしたい。
クリーチャーの完成度が高すぎて魅入ってしまいます。

エンディングにクリーチャー総出演のPVが流れますが、
これがまた抜群の仕上がりです。

☆総評としましては

★★★★+0.1 / 最高の雰囲気と映像美!

「クリーチャーに尽きる」と言いたい程に
その存在感が素晴らしいのですが、
他の要素も存分に楽しめるハイレベルな仕上がりです。

一人三役(娘役 他)の子役、ジョデル・フェルランドが
恐ろしいほど可愛くて、しかもしっかりとした演技。
他の役者さん達も凄く良い演技を見せてくれますし、
本当に言う事なしの素晴らしいエンタメ作品でした。

いやぁ、ほんと、素晴らしい。
とても面白かったです。
これはまた何度も観る事になりそうですね。

傑作リストにまた一つ。



(追記)

僕は原作ゲームをプレイしていないので、
まったく予備知識が無い状態で視聴しましたが、
原作ファンの人にはいかがでしたでしょうか?

とにもかくにも、早くプレイしなければ。

(追記2)

この監督さんが僕の好きな作品
「ジェヴォーダンの獣」の人だと知りました。
確かに演出面での共通点が多く、
さすが!と思いました。これで一気にファンですね。

(追記3)

日本語吹き替えでも見てみましたが、
これは世界観を少し壊している気がするので
出来ましたら、字幕版の方がお勧めです。



続編「Silent Hill: Revelation 3D」が
北米では10月中に。
(国内でもおそらく公開されるでしょう。)



監督が変わっていますが、
ダーク・ナースは健在の模様です。

2011年12月08日

ジェニファーズ・ボディ



監督 : カリン・クサマ
出演 : アマンダ・セイフライド、ミーガン・フォックス 他

Jennifer's Body / 2009 America

かなりの秀作。
悪魔憑き女のお色気トラップな人喰い作品。
でもメインはそこじゃない、と。

主役(ヒロイン)はジェニファーではなく、
親友のニーディの模様。演技力良し。
彼女の独白と回想で物語は始まります。

ティーンエイジャーの青春グラフィティに
オカルト・ホラーが混ざった様な作りで、
主軸はジェニファーとニーディの捻れた友情。
ジェニファーは普段からビッチなモテキャラで、
ある事故(事件)をきっかけに悪魔に憑かれる。
ニーディはそんな彼女に戸惑いながらも
恋人との日常、彼女との関係を続けて行く・・・

と。で、まぁ、
その日常が徐々に崩壊していくわけです。
悪魔に憑かれたジェニファーは
持ち前の色気を使って男をたぶらかし、
誘惑しては「キシャーッ!!ガブッ!」みたいな。

ホラー部分が良いスパイスになっていて、
学園、友情ドラマの出来栄え、と、いうか
全体的に非常に丁寧で完成度の高い雰囲気が心地良く、
明るいシーンと、暗く恐いシーンのバランスが抜群。

お色気シーンは控え目ながら、
中盤にあるレズシーンは妙に力が入っています。
なぜだろう。女性監督の成せる業か。
他のシーンを見ても、
この監督さんは素晴らしいセンスですね。
"実力派"って感じです。

ドラマ仕立ての物語は実に自然に展開し、
最後にはちょっとしたどんでん返しが。
うーん、構成が上手い。
ティーンな女の子の友情は裏腹に・・・

セリフ回しも気が利いていますし、
主役の彼女の演技は素晴らしかった。
ジェニファーも小悪魔ビッチらしくて良い。
脇を固める人達のキャラに嵌った演技もグッド。

なんというか、
才能溢れる人達が集まって作った。
そんな作品ですね。

☆見所としましては

ドラマ部分の完成度がやたらと高い。
時々、ホラー作品なのを忘れるほどですが、
それがベースにあるので、ホラー部分も底上げ。

主演のアマンダ・セイフライドの演技力で
リアリティというか、臨場感があります。
ジェニファーとニーディのバトルは必見。
スーパースローで良い表情。いや、形相。

ジェニファーの悪霊憑き後の初登場シーンは
超ゾンビっぽい見た目に吐瀉物も発射。
真っ黒な血をドバドバと吐き出すとは・・・

やるね。

人喰いシーンもあります。
グロとセクシーは、
ご家族で見るにはギリギリアウトくらい。かな?

音楽が多用されていて、どれもなかなか良いです。
シーンによってはちょっと違和感もありましたが、
盛り上がる選曲は見事ですね。
サントラが出ている様なので、気になります。
劇中に登場し、惨劇を引き起こすバンドの曲が
ちょっとコールドプレイっぽい。
歌いながらアレするシーンはサイコっぽくて良かった。

見所多いな、うん。

☆総評としましては

★★★+0.6 / 繰り返し見ても面白い。

青春グラフィティ+オカルト・ホラーの
見事なミックス。
あらゆるシーンの絵面も美しく、
見応えのある、なかなか素晴らしい仕上がり。

この監督さんの作品は要チェックですね。



YouTube / ジェニファーズ・ボディ 予告編

2011年12月02日

ホーンテッド



監督 : ナチョ・セルダ
出演 : アナスタシア・ヒル、カレル・ローデン 他

THE ABANDONED / America,Spain,Bulgaria

邦題は「ホーンテッド」
(幽霊に取り憑かれた〜)ですが、
原題は「The Abandoned」(捨てられた〜)ですね。
"廃墟"や"捨て子"または"廃車"などなど、
映画の内容に沿ったタイトルだと思います。

物語は、双子の男女が出生の謎を求めて
かつての"家"に戻り、呪われた過去に囚われる。
42年の歳月を経て、
巻き込まれる悪夢に抗う術などない。

そんな感じです。
因縁めいた設定の幽霊屋敷モノですね。

映像は薄暗くて湿っぽい。
陰影が濃かったり、背景をぼかしていたりで
なかなかに雰囲気があります。
時々風景が綺麗に見えていいですね。

演出がかなりわざとらしく作られていて、
導入部では「んー?」と思わせる様な出来栄え。
しかし、後半になり迫力の展開を迎える頃には
しっかりと世界観に飲み込まれています。

時系列は狂い、
現実と虚構が入り混じって混乱させるタイプの作り。
"全てが悪夢の中の現実"という事でしょうか。

自分たちの生霊が現れ、
その姿は死の姿を予告している・・・、と。
この辺から、僕は
「自分ならどう行動するか?」を考えて見てました。
んー、とりあえず・・・、家、燃やすかなぁ。
悪霊が"家族"にこだわっているので、
その器をぶっ壊すしかないんじゃないかなぁ。
出来るか出来ないかは別として。

もしも漫画やアニメなら、
推理と機転で危機を乗り越える様な話だったかも。

脚本としては、
ある意味、日本人好みのアンハッピーなもので、
思った通りに事は進みます。
生霊や悪霊の姿は限りなく生身っぽく、
生霊の方はゾンビっぽくもありますね。
んー、見た目は怖くないけど、現れ方は恐い。
「怖がらせよう」という意志の伝わってくる、
真面目でスタンダードな仕上がり。
怖さはそこそこですが、
「逃れられない」感はアリアリと出ていて、
追い詰められる息苦しさはなかなかのもんです。

うんうん、なかなか優等生な作品だ。

全編通して緊張感は続きますので、
日常に温さを感じてる人なんかにお勧めです。

適度に怖くて楽しめた作品でした。

☆見所としましては

クライマックス直前に、家がガタガタと揺れる
ポルターガイスト現象が起こるんですが、
これがなかなか、迫力の映像で良かったです。

全体がサスペンスっぽい雰囲気なのも良し。

☆総評としましては

★★+0.7 / んー、印象には残り辛いかな。

まぁまぁ面白いんですが、
決定的になにかが足りない様な気がします。
うーん、なんだろう。おぞましさ、かな。