2013年04月17日

マンガ・オブ・ザ・デッド



作家陣 : 田島昭宇、寺田克也、ヒロモト森一、
広江礼威、沙村広明、
うぐいす祥子、鬼ノ仁、松本次郎、
島田虎之介、外薗昌也、古泉智浩、腑貌篤史

豪華作家陣を配しての力作ゾンビアンソロジー。
一通り読み終えた感想は「玉石混合」です。

個人的に主なお目当ては

死人の声をきくがよい」のひよどり祥子さん
少女ゾンビ」のヒロモト森一さん
べっちんとまんだら」の松本次郎さん

でした。
もちろん他の作家さんにも期待して購入しましたが。


うぐいす祥子さん「死体と暮らすな子供たち」

幼い姉弟が主人公の尾を引くストーリー。
魅力的な絵と独特な視点で描かれる物語は最高です。
読後は世界観から抜け出せなくなりますね。

やはり素晴らしい。大好きな作家さん。


ヒロモト森一さん「少年ゾンビ」

勢いのある展開はさすがの持ち味。
最後まで期待を裏切ることなく疾走し、
オチでも見事な爆発力を持ってきますね。面白い。
読み終わるともっと読みたくなる作家さんです。

今後の活躍に益々の期待。


松本次郎さんはイラストのみ。
しかも見開きで真ん中が窪んでいるので
なんとも微妙な気持ちになってしまいました。

少し残念。


ライフ・イズ・デッド」で有名な古泉智浩さんは
今作でも独特の間合いでゾンビ化現象を描写。
ぽかーんとした作風の中に何故かインパクトが。


巻頭の「アンドアイラブハー」寺田克也さん

少しやさぐれた思春期とゾンビ化した家族。
あけすけに描かれた主人公の心情が心地よく、
短いようでいてとても濃厚なストーリーでした。
今後追って行きたい作家さんです。


オカルト色の強い「死霊の杜」外薗昌也さん

安定感と読み応え。
魅力あるカット絵が多数で良かった。


ゾンビものアンソロジーはまず性質的に
その作品の世界観、と言いますか
設定を掴むことが大事ですよね。

ゾンビに対する周りの認識が主なところ。
その点が上手く表現されていて、
比較的わかりやすい作品が多かったと思います。

全体を通しての感想というのはなかなか難しいですが
お値段約1500円で、
個人的には十分に満足のいくコミックでした。

装丁に半透明のプラスチックカバーを着けたのも
豪華かつソフトになって良いと思います。
田島昭字さんの表紙イラストも素敵ですね。

見所はたくさんありますが、
とにもかくにも
うぐいす祥子さんのゾンビ作品が読めるのが
なによりも嬉しいです。

また次巻があるならば是非買いたいですね。
期待しています。

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2012年07月11日

ゾンビアンソロジーコミック



作家陣 : 道満晴明、川那辺雅弘、玖倉しいち、百福、浜田ぢゅんいち、鐶九朗、みずのもと、三星めがね

ZOMBIE ANTHOLOGY COMIC

道満さんの名前と表紙につられて購入しましたが、
そもそも、ゾンビのアンソロジーコミックが
出版されるというのは、うん、なかなかに。
ゾンビの人気もここまできたか… と。

道満晴明さんはさすがの個性と空気感。
緩いようでいて何処かせつなく、
飄々と明るい様な、重い様な、オチまで
上手く纏まった期待通りの完成度でした。
甘酸っぱい青春とそこに刺す強い毒素。
どっこい、最後はクスっと終わります。

他に気になったのは川那辺雅弘さんで、
明るく可愛い絵柄に時代劇(戦国)の設定。
素直に笑えるシンプルさが良かったです。
時代劇とか鎧とゾンビって好相性ですよねー。

ギャグ漫画チックに描いているのはこの御二方で、
他の方々はシリアスで重苦しい雰囲気の作品。
ただ、あまりゾンビ達に存在感が無く、
"ゾンビ"を題材にしただけ、と感じてしまいました。

随一の長編を描かれた百福さん。
脚本としては光るものがあり、
実写やアニメになると面白いかもしれませんね。
※序盤でオチが予測出来てしまったので、
その部分を上手く誤魔化せればなぁと思います。

んー、全て読み終えまして、
あまり読み応えはなかったですかねぇ。

ゾンビを題材にするとなると、
世界観の統一みたいなものが必要かも。
んー、つまりは
ゾンビものは短編アンソロジーには向かない。

そんな事を思いました。

いや、しかし。
やはり道満さんは素晴らしい。好きです。
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2012年03月08日

ウォーキング・デッド2



著 : ロバート・カークマン
訳 : 風間賢二

The Walking Dead 2

さて、グラフィック・ノベルの二巻目です。
(本国の4〜6巻分を収録)

本巻でも、まず特筆すべきなのは装丁でしょう。
ただでさえ目を引くサイズ(B5変形版)に
ゾンビ二体を首輪で引き連れた渋い黒人女性。
しかも右手には刀を持っているときたもんです。
僕は対ゾンビの武器に刃物は反対派なんですが、
なにしろ絵面がワクワクさせてくれるじゃないですか。

じっくり見ると更に面白いのがゾンビの状態ですね。
二体とも両腕と下顎がない。なるほど、安全確保か。
(作中にもちゃんと登場しますよ)

物語は前巻の続き、
刑務所(居住地内)でのいざこざからその顛末。
共に生活する人間同士に巻き起こる問題や犠牲者。
そしてもう一つの居住地と生存者の一団に
出会った事で始まる最悪の展開が描かれています。

新たな主要人物が二人登場。
一人は表紙の女戦士「ミショーン」で、
この巻では主人公よりも派手に活躍していました。
どうやら精神的に"ある問題"も抱えている様ですが。

もう一人は最低のサイコパス野郎「ガバナー(総督)」
まだまだゲスさの度合いが甘いですが、
次巻あたりでは最悪の敵になりそうな予感です。
こいつが何をしでかすか怖い・・・
狂ってる上に権力があるからタチが悪いですね。

本巻で最も強く描かれているのが
主人公の人間的なバランスが壊れていく様子でしょう。
本人も自覚していながら抗う術もなく・・・
人は状況によって価値観や
信じる正義を変えなければならない。
そんな苦悩と恐怖があります。

他の住人達の人間関係も少し危うくなってきました。

ゾンビ達の活躍は前巻に引き続き、
ザックリとしていますが見せ場は大いにあり。
人間同士の下衆な争いがメインになっている中では、
ある意味でホッとさせてくれる要素にすら感じます。
(新キャラの二人がなかなかエグいので)

ざわざわと不安な気持ちになる第二巻ですが、
「崩壊」「拷問」「狂人」「対立」と見応え十分で
作品の核心に触れるセリフも見開きでドーン!
このサイズの見開きは迫力が凄い。

先への前フリがガッツリとなされているので、
次巻が非常に待ち遠しいです。
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2012年03月01日

少女ゾンビ



著 : ヒロモト森一

少女ゾンビ 全1巻

この作品に感じるものは「衝動」と「意思」
展開には勢いがあり、あらゆる登場人物達に
感情の爆発の様なものがあります。
弱さに底にある、怒りにも似た生命の咆哮。

絵は荒く、ラフ画の様な仕上がりで
それゆえの迫力があり、物語の雰囲気には最適。
ゴアや変態的な表現は想像力を強く喚起し、
その描写は実にバイオレンスかつエロス。
暴力的、性的本能を刺激する見事な出来栄えです。

物語は、どこか腐ってしまった現代日本を背景に、
ある少女が属する一家を中心に描かれています。
それはもう、捻じ曲がった鬱屈感のある一家が。

※一家以外の登場人物が少し面白く、
歌姫「AYA」やアイドルの「ヴァッキーナ」に
浅生首相の秋葉原演説など。

ゾンビの発生から犠牲者が増えていく様子や
局地的パンデミックでの惨劇、抗う姿など、
時系列は少しシャッフルされていて
混乱した世界観を上手く感じる事が出来ました。
特にゾンビの存在やその脅威を理解出来ず、
肉体的な痛みを感じてから危機感を得る鈍さ・・・
そういったリアリティに恐怖を感じましたね。

ゾンビがしっかりと「化け物」として存在し
人間とゾンビとの闘いが重く、怖く、
そして勢いよく描かれています。
ダークヒーロー的な要素も良いですね。

作者さんの衝動と情熱、それをそのまま
この作品に感じる事が出来た気がします。
「ゾンビ」は集団的狂気、集団暴力。
惨劇はホラーではなくバイオレンスだと思いました。
この部分をしっかりと描いたゾンビ漫画は貴重ですね。

これは面白い。
タグ:漫画 ゾンビ
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