2012年07月14日

キツツキと雨



監督 : 沖田修一
出演 : 役所広司、小栗 旬、古館寛治 他

キツツキと雨 / 2011 Japan

大好きな役所広司さんのゾンビ姿が見れる、
という事でニヤニヤしながら観賞しました。

いわゆるハートフル・ヒューマン・コメディで、
無骨でお人好し気味の木こり"克彦さん"と
内向的でプレッシャーに弱い新人監督"幸一くん"の
アンバランスな交流と成長が描かれています。

ゾンビ映画で田舎の村に訪れた撮影隊、
小さなきっかけで出会った二人。
上手く進まない撮影と噛み合わない会話、
協力するうちに段々と近づく心の距離。
やがては村中を巻き込んだ
楽しくも痛快な撮影劇へと展開していきます。

心の機微が非常に丁寧、かつ大胆に描かれていて、
ジワジワと迫る笑いと感動がとても心地良かった。
また、撮影するものが"ゾンビ映画"という事で、
シュールな画面にクスッとさせられました。
これはこの作品に間違いなく必要な要素だな、と。

映画の撮影風景を作品にするというのは
実に面白いですよね。
実際に作り手の方々はどう見るのでしょうか?
んー、興味深いですね。

そして素晴らしいのは
コメディ部分が控えめな表現であること。
そのくせ計算高く、巧みな画作りが印象深い。
スッと心が緩んで入り込まれてしまいましたね。
いや、お見事です。とても楽しく笑えますよ。

役者陣は「さすが」の一言。
主演の二人は言わずもがな、ですし
名脇役にナイスなエキストラの方々。
一体感の勝利でしょうか。
役所さんと小栗くんの「可愛さ」みたいなものが
非常に上手く出ていましたねぇ。

心がほっこり。
楽しく、面白く、笑顔になれる素敵な物語。

☆見所としましては

当ブログ的にはやはりゾンビでしょうか。
本物(?)のゾンビは一体も出ないわけですが、
"ゾンビに扮する人々"の楽しそうな事。

きっと貴方もゾンビをやりたくなりますよー。

☆総評としましては

★★★+0.2 / ほんとはもっと高評価です。

まぁ、ゾンビ映画ではないわけで。
うちとしましては控えめにさせて頂きました。
ただ、妙にゾンビ愛を感じますし、
ゾンビ映画好きの方には是非ともとお勧めです。

※タグにも"ゾンビ"を入れさせていただきました。
最大限の敬意でございますー。

モヤモヤの溜まる前半、中盤のドキドキ。
そして繋がる後半のワクワク感。
王道の構成を見事な手腕で描き切っています。

日本映画の良さ、侘び寂びのあるシーンの連続。
グッと心に届く、とても良い作品でした。

※関連商品(映画内ゾンビ映画の脚本など)が
気になるので、フォローしていきたいと思います。



YouTube - キツツキと雨 予告編
posted by DM at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / A級

2011年10月02日

28週後...



監督 : ファン・カルロス・フレスナディージョ
出演 : ロバート・カーライル、イモジェン・プーツ 他

28 Weeks Later / 2007 UK

「28日後...」の続編。
今作は色々とパワーアップしていますね。

音楽を前作から引き継いだおかげで
実にスムーズに世界観に入り込む事が出来ました。
この辺の演出は本当に上手いですね。
映像は暗く、コントラストが強い。
キャストや監督が変わっていますが、
前作の雰囲気をあまり壊す事なく
スケール感は大幅にアップされています。

エキストラ役の方々が大量に投入され、
パニック映画としての描写は上々。
保護されていたはずの健常者たちが
建物内に閉じ込められ、混乱の中で瞬時に
巻き起こるパンデミックは恐怖そのものです。
ここのシーンは脳裏に焼き付いてしまいました。

うーん、恐い。
閉じ込められた時の最悪の状況じゃないでしょうか。

物語は一つの家族を中心に展開するんですが
希望や愛ではなく、残酷さや弱さが強く出ています。
それだけに辛辣な表現が多々あり、
眉をしかめて嫌な気分にさせるシーンが多いです。

「衝撃的な映像」を強く意識した作りになっていて、
時々は狙い過ぎだなと思う所がありました。
それでも効果は絶大で、印象深く仕上がっています。
とにかく画の撮り方が抜群に上手く、胸を掴みます。

感染者の表現は前作よりも更にゾンビに近くなって、
「超動きの速いゾンビ」として見る事が出来ました。
しかも凶暴で、集団で、発症までは十数秒しかない。
こんなパンデミックが起きたら、
間違いなく人類は滅亡するでしょうね。
早めに感染したほうがいいんじゃないかと
思えるほどに希望はない。

ワクチンがなんの役に立つんだ。

まぁ・・・、希望や救いを求めるのは本能ですね。

メインキャストはそれなりに豪華です。
お父さん役の人はハンサムで華があり、
苦悩の表情が役柄にハマっていますし
お母さん役の女性の演技も素晴らしく、
実力派のお二人といった印象です。
そして娘役のイモジェンが美しい。
絵画の様な顔立ちで、画的に際立ちますね。
どちらかというと脇役のはずなんですが、
その存在感はこの作品に不可欠のものに思えます。

全体としては、意識しすぎたのか
失敗しているシーンも幾つかある様に思えます。が、
圧倒的な物量で前作に迫る仕上がりになっています。

☆オススメとしましては

パンデミックと呼ぶに相応しい感染劇。
そこに渦巻く恐怖と混乱は実に生々しい。
感染者の表現も前作を上回る出来栄えだと思います。
(全力ダッシュと数の多さ)

☆総評としましては

★★★+0.9 / 感染パニックの代表作!

見るものを飲み込む迫力は有無を言わさず。
物語を包むリアリティが精神的に辛い。
ツッコミどころも見当たりますが
今作もまた、傑作といえる仕上がりだと思います。

うーん、でもちょっとやり過ぎかも。



YouTube / 28 Weeks Later official trailer
posted by DM at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / A級

2011年10月01日

28日後...



監督 : ダニー・ボイル
出演 : キリアン・マーフィー、ナオミ・ハリス 他

28 Days Later / 2002 UK

非常にシリアスで重い雰囲気の作品。
衝撃的な展開や映像は記憶に焼き付きそうですね。

始まりは病院での目覚めから。
なにが起こったかわからない主人公は
無人の街を徘徊します。
この辺が非常にうまく演出されていて、
冒頭からこの作品の世界観に飲み込まれました。

うん、やるじゃないか。

その後、主人公は感染者に遭遇。
数少ない生存者と行動を共にし、
家族愛の様なものが生まれるわけですが
そんな中でも悲劇は起こってしまいます。
そして兵士の残党に保護されますが・・・

後半はサイコ・スリラーの怖さもプラスされ、
人間の狂気が演出されています。
主人公の彼の表情が素晴らしく、
切り替えの鋭い演技が光りますね。

感染者の表現もゾンビに近く、
動きの速さと凶暴性で緊迫感が強く出ています。

集団で来られたら勝てないなぁ・・・

全体的な映像の雰囲気は薄暗く、湿っぽい。
音楽も効果的に使われていて、
胸に迫る重苦しさが伝わってきます。

うん、傑作といえる完成度じゃないでしょうか。

☆オススメとしましては

感染者の速さと真っ赤な瞳が良いですね。
そして主人公の狂気を帯びた表情が素晴らしい。
子供にはトラウマになる映画だと思います。

☆総評としましては

★★★+0.9 / やるせなく、切ない空気感

見るのに体力を使う作品なので
年に一度くらいの頻度で視聴しようかと思います。



YouTube / 28 Days Later Trailer
posted by DM at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / A級

2011年09月24日

アイ・アム・レジェンド



監督 : フランシス・ローレンス
出演 : ウィル・スミス、ウィロウ・スミス 他

I Am Legend / 2007 America

主演はウィル・スミスと犬君。
なんというか、ウィル・スミス色に染まった
王道も王道の作品でした。

2012年に爆発的に蔓延したウィルスによって
世界中の人々が死滅、変異してしまった世界が舞台。
「ダーク・シーカー」と呼ばれる凶暴極まる感染者の
群れの中、たった一人で戦い続ける主人公。
彼は治療法を見つけ、世界を救えるのか?

というお話。
うん、とりあえずゾンビ映画ではない。

終末の世界にたった一人の生き残りと
相棒の犬君というシチュにはグッときます。
原作の小説「地球最後の男」には興味が湧きますね。
(今作の他にも何度か映画化されている模様)

映像は素晴らしくお金がかかっていて
"世界にたった一人"感はよく出ていましたし、
街に感じられない生活臭のなさはお見事。
一転して回想シーンでの人々も良い。
息を呑むシーンや絵面も多く、
夢中になって見入る事が出来ました。
戦闘機の尾翼からゴルフをするシーンなんかは
非現実的、非日常感がアリアリで抜群でしたね。

全体的なストーリーは本当に王道ですが、
ダーク・シーカーに関する方面では
大事な意味を持たせたシーンが少しわかりにくく、
初見では物語の深みを掴むのは難しい。
予備知識があった方がしっかりと楽しめるかも?
敵方の心理や行動に注意して見ると良いかと思います。

公開直前にエンディングが差し替えられたらしく、
今回観たDVDにも収録されていませんでした。
機会があれば観てみたいと思います。

☆見所としましては

ウィル・スミス大好き!な方にお勧めです。
うーん、かっこいいですねぇ。
映像の完成度は素晴らしく、
それに負けない彼の存在感は抜群です。

映像特典に宣伝用のコミック・アニメーションが
オムニバスで入っているんですが、
これがかなり良く出来ていて必見ですね。

これともう一つのエンディングのためにBDを買うかも。

☆総評としましては

★★★+0.5 / 本編で★x3 アニメで+0.5

エンディングに少し白々しさを感じてしまって
個人的な評価はイマイチ伸びず。
まぁでも、見応えは十分にありました。



YouTube / I Am Legend Official Movie Trailer
posted by DM at 13:57| Comment(2) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / A級

2011年07月23日

バイオハザードIV アフターライフ



監督 : ポール・アンダーソン
出演 : ミラ・ジョヴォヴィッチ、ウェントワース・ミラー、ケイシー・バーンフィールド 他

Resident Evil: Afterlife / 2010

ようやく四作目です。
監督が一作目のポール・W・S・アンダーソン。
(二、三作目にも製作で参加してますが)
ゾンビ好きというより原作ゲームファン。
もうすでに嫌な予感が・・・

始まりの映像はなかなか美しく、
しかも渋谷(という設定)です。
登場するのは中島美嘉さん。
以前から顔が怖いとは思っていました。
が、映像といいメイクといい、、
音楽までもがヴァンパイア映画っぽいんですね。
うーん、まぁそれも好きです。

そして数年後
廃墟と化した東京の地下、ハイテク施設。
ミラのアクションシーンなんですが・・・
マトリックスとキル・ビルをたして
忍者要素をふりかけた様な出来栄えです。
(他の作品に例えるのはあまり好きじゃないですが)
しかも4で割ってしまった様な割り切れない感。

監督がアンダーソン君なので仕方がないですね。
(うまいこと言った、いや、どうでもいい)

とにもかくにも、
前作までの伏線を急いで回収します。
うん、無理矢理にでも収拾つけないとね。
でもちょっと"萎える"ツッコミ所が多いんですよ。

そして舞台は半年後。
一転して人もゾンビも見えなくなります。
このあたり、終末の孤独感を表現したんでしょう。

なんやかんやで、
また舞台は変わって廃墟の街に立つ刑務所へ。
ここで何人かの仲間ができるわけですが、
刑務所だけにプリズン・ブレイクの彼が。
「俺が脱出法を教えてやる」ときたもんです。
ここだけ聞くと面白そうなんですが・・・

そして物語は
モンスター・パニック・アクション・脱出劇へ。

なんというか、パクリというか。
色んな映画のシーンを
繋ぎ合わせてバイオにしてみました的な。
少し「イラッ」とくる辻褄の合わない展開が多いです。

もはやゾンビはセットの一部に。
完全にエキストラと化しています。
(原作のゲームも4で転換期を迎えましたが)
まぁゾンビ的には非常に残念な扱いです。

ウダウダと中だるみがありまして・・・

最後ははまたしてもハイテク施設内での闘いへ。
終末でも絶望でもない。危機すら感じない。
いったい何がしたいんだ、監督。

☆見所としましては

原作ゲームとリンクする部分はままあります。
個人的にはこれといって褒める所がない。
あ、最後にシエンナが出てきます。
超セクシーです。あと、ケイシー美人。
プリズンの彼、かっこいいね。

☆総評としましては

★★+0.5 / もうゾンビ関係ないじゃん

と、いう事でゾンビ作品ではなくなっちゃいました。
まぁIVともなれば仕方がないのでしょう。
ただ、それを差し引いてもあまり面白くない。

Vはここでレビューしないかもしれません。
うん、まだ続くみたいです。いや、無理かな?
なんかもう色々と台無しです。犬とか。

アフターライフは「後世・余生」といった意味合い。
posted by DM at 05:13| Comment(2) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / A級