2012年09月07日

バタリアン 5



監督 : エロリー・エルカイェム
出演 : ピーター・コヨーテ、ジョン・キーフ 他

Return of the Living Dead:Rave To The Grave / 2006 Ukraine,Romania

前作からの正当な続編。
(らしい… 登場人物以外に意味はなさそう)
中途半端に真面目で堅苦しい駄作だった4から
なかなかに楽しめるホラー・コメディに一変しました。

前作との最大の違いは"サービス精神"でしょうか。
変に格好を付けない愉快な雰囲気が良い感じです。

ストーリーも新機軸。

あの「トライオキシン」からドラッグを作成(!)
個体、摂取量で差はあるもののゾンビを発症する者が。
ハロウィンを目前にばら撒かれ、
イベント会場は徐々にパンデミックの様相を呈する…

飲むドラッグ「Z」の登場は良いアイデアですねぇ。
発症や感染の自由度で、やりたい放題出来そうです。
その分、整合性は蔑ろになりますが、
そこはコメディの雰囲気が押しやってくれます。

まぁ、この作品の肝はコメディ感やホラー度ではなく、
"サービス精神"に尽きると思いますので。

・お約束通りのゴア表現

バタリアンの首が簡単に千切れますねぇ。
尖ったものが目とか頭に刺さりますねぇ。
拳銃で頭を貫通されまくり(結構簡単に倒せます)です。

・ナイスなコスプレ具合

チアリーダーの登場やハロゥインでの仮装で
素晴らしく良い衣装が盛り沢山です。
仮装ゾンビ、仮装犠牲者が愉快ですねぇ。

・歴代の魅力を再現

バタリアン・シリーズの名文句「ブレイーン」は健在。
後頭部噛み切りシーンをこれでもか!と繰り返し、
ついには「タールマン」まで復活しています。

タールマンは完全なコメディ要員で、
愛らしい姿を見せてくれますよ。ヒッチハイクとか。

・たぶん大予算

大勢のエキストラに大きなパーティー会場。
ひとりひとりのバタリアンメイクも丁寧ですし、
ヘリコプターまで登場します。

エキストラがボランティア参加だとしたら更に凄い。

・おっぱいがいっぱい

何故にこいつらはパーティーとなると
胸をほっぽり出すんでしょうか。基本なんでしょうか。
愛すべきバカビッチ達とドラッグ大好き男共です。

…と、まぁウリの多い作品ですね。

登場人物は前作の学生達とインターポールの二人組。
学生達は事件を引き起こし、恋人を守るのに奔走。
突然出てきた呑気で胡散臭いエージェント二人は
(コメディ要員の割には)
意外にも頼りになる活躍をしてくれます。
良い感じに安っぽくて好感が持てますよ、うん。

ほぼ全員の演技が微妙な感じなので、
逆に気にならないという良い塩梅です。ラッキー。

テンポが悪くない事とノリの良い音楽で
勢いがついているのが功を奏している様で、
放りっぱなしの伏線もまぁ… 気にはなりませんかね。

※時々、無駄な演出があるのはご愛嬌。
連続フラッシュの様な見難いシーンとかね…

初代の雰囲気をほんの少し漂わせ、
怖くはないがそこそこにゴアグロなシーンがあり、
主人公は冴えないが足りない部分は新キャラがカバー。

意外とバランスの取れた楽しい作品でしたよ。

んー、まぁ決して秀作とまでは言えないんですが、
僕は好きです、えぇ。

いや、まぁ、そこそこに… ですよ。

☆見所としましては

んー、タールマンですかねぇ。
本筋にほとんど絡んでこないという不敵さです。

あと、やっぱり衣装(仮装)ですね。
単純に見ていて楽しいので良いと思います。

☆総評としましては

★★+0.7 / この路線なら6もイケる。

くらいでしょうかね。

適度にはっちゃけた感じが気軽に楽しめます。
構えて見てしまうとこれまた駄作に思えるかも?

余裕を持ってテキトーに視聴する事をお勧めします。

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2012年08月27日

ゾンビ・ナース



監督 : マイケル・ハースト
出演 : クリスティーン・テイラー、クロエ・モレッツ 他

Room 6 / 2006 America

えー、まず最初に、あまりゾンビ作品ではありません。
タイトルやジャケットには期待させられますが、
基本的には悪魔(?)や亡霊(?)、モンスター(?)が中心の
一人パニック系悪夢的ホラーといったところです。

冒頭はシチュエーション・スリラーっぽい
手術シーンから始まりまして、主役のヒロイン登場。
このヒロインの謎に満ちた境遇と幻覚(?)を
追って物語はじっくりと展開していきます。

-あらすじっぽいもの-

自動車で衝突事故を起こし、
互いの恋人と妹が救急車で運ばれた後に行方不明。
搬送された病院の所在を探す二人の前に現れては消える
異形のモンスター。
これは果たして現実なのか?それとも…

劇中の言葉を流用して"モンスター"としましたが、
普通の人の顔がフラッシュバックの様に
一瞬(結構長い)ゾンビ顔になる感じですね。
襲ってきたりもしますが、
実際にはなにも起こっていない、みたいな。

そんな展開と同時に、
搬送された恋人の入院状況が挿入されまして、
こちらの方が見応えがありますね。
邦題のナースさんもグイグイ登場していますし、
不穏な状況に身を置いている感がなかなか良いです。

まぁ、そんな不穏な雰囲気だけは漂わせつつ、
実にゆっくりと確信に迫る… 様な迫らない様な。

うーん、
全体的に平均点以上の出来だとは思うんですが、
すべての要素に何かが足りない。
脚本に無理があるのか、構成が悪いのか…
大事なところほど説得力に欠けるんですよ。
残念ながら。

ちょっとグダグダな夢を見ている気持ちになりますね。
オチまでいくと、それも納得出来る気がしなくもない
かもしれないけれどもどうしたもんだろう。

ってな具合です。一言で言うなら

「腑に落ちない」

これですね。
納得いかない、手は打てない。

ただ、
ヒロインが辿り着いてからのクライマックスも含め、
病院パートは結構面白いです。
こちらを中心に展開してくれていたら…

見せ場のほとんどが病院なんですよねぇ。
ヒロインの方の描写が退屈に思えてしまうわけでして。

うーん。

特殊メイクは上手いんですが、造形が少し古いかも。
同じく、演技と演出、音楽までもがなんとなく古い。
そして「古き良きホラー」になるには
怪奇感や迫力が絶対的に足りない気がします。

唯一迫力があったのは、
婦長さんっぽいおばさんナースですね。
立ち居振る舞いと表情が怖い。
もっと活躍して欲しかったなぁ…。存在感グッド。

すごく良い要素もたくさんあるんですが、
それを無駄に捨ててしまっていて、
ヒロインのパートを助長してしまった、と。
少し勿体無さを感じさせる仕上がり具合でした。

んー、もったいない。
悪くない。悪くはないんですよー。

☆見所としましては

クライマックスでは大勢の"ゾンビっぽい人達"も
登場しますので、そこでしょうか。うち的には。

あとは、今をときめくクロエ・モレッツが
幼いわりには大人びた演技を見せてくれます。
まぁ、いいとこ取りのチョイ役ですが。

☆総評としましては

★★+0.5 / 設定が悪い!

と、相成りました。
うん、設定。まずは設定ですね。

"オチありき"で話が構成されていますので、
不可解さが退屈へと繋がってしまいます。
このオチを変えていれば、
全体がもっともっと良くなったのでは。惜しい。

一番のマイナスポイントは
大事なシーンに感じる手抜き感です。
じっくりと描写している中で、フッと冷めてしまう。
これでは緊迫感は持続しませんね。

まぁ、でも…
オカルト・シチュエーション・ホラーとして
ポイントは押さえた作りだったと思います。

誰だ、この邦題を付けたのは。
(大人の事情でしょうねぇ)

※決してゾンビ作品ではないのですが、
便宜上、B級ゾンビ作品として分類させて頂きます。
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2012年08月04日

ゾンビ・クロニクル



監督 : マイケル・バーレット
出演 : フィリップ・ブロディ、アレックス・ウィルトン・リーガン 他

WORLD OF THE DEAD: THE ZOMBIE DIARIES 2 / 2011 UK

個人的にはちょっと苦手なPOV(主観視点)の作品。

オープニングは家庭用ビデオカメラでスタート。
んー、どうにもぎこちない映像ですが、
終末世界の最初期っぽさは少し出ているかと。

場面は変わって従軍カメラマンが登場。
ここから先はそのカメラの映像で展開していきます。
余計な表記はないですし、
POVの理由付けとしても、まぁ、妥当かと思います。

※POVにはどうしても理由付けが必要で、
そこに説得力がないとすごく気になるんですよね。

「いや、なんでその状況でカメラ構えてるねん」

って、やつです。

物語はドキュメント風に進行しますが、
軍隊の生き残り数名でのサバイバル逃亡劇。
そこに敵の不良グループみたいのが絡んで、
ゾンビの群れの中で人間対人間の閉塞感が…

非常にありがちな構成ながら、
緊張感のある状況と不幸な展開がなかなかに良い。
登場人物の視点で映る映像には没入感があり、
それゆえに緊迫した雰囲気は伝わってきますね。
ただ、話のスケールには制約がかかってしまい、
小さな盛り上がりに終始するのが少し残念。
※これもPOVの弊害ではないかと思うんです。

役者さんたちは堂々としたソツのない演技。
小道具や衣装、ロケーションも良い。
そして脚本がなかなかに素晴らしく、
終末に向かう状況の描き方は似た風合いの作品の中で
一歩、抜きん出ていると感じます。

が、それを邪魔している要素がチラホラと。

時間軸の違う映像が所々で差し込まれるんですが、
これは蛇足、と言いますか、何故挿入するのか…
興味を引きたいという狙いなんだとは思います。

そしてなによりも映像の編集技術とセンス。
シーンの切り替えでノイズや映像の乱れなんかを
使用されていますが、これがなんとも安っぽい。
ここに大きな違和感を感じてしまって、
フッと… 冷めちゃうんですよね。

どちらにも言える事は、
「没入感を無くしてしまう」という致命的…
そう、POV作品には致命的な欠陥なんですよ、恐らく。

うーん、もったいない。

ゾンビメイクや群れの数、戦闘(主に銃撃戦)は
かなり健闘していて、なかなかの完成度。
(まぁ、なんとなく低予算の限界は見えてしまいますが)

ゾンビはゆっくりモタモタ、攻撃性も少し緩めタイプ。
脅威としてはさほどでもないんですが
群れとしての見せ場が結構ありますので、
牧歌的な恐怖を感じたい方にはお勧めかもしれません。

☆見所としましては

暗闇から至近距離に現れるゾンビのアップでしょうか。
カメラの目の前にヌボーッとくるのはなかなか。

そしてやはり脚本が良い、地味な良さです。

☆総評としましては

★★+0.5 / おしい。無駄な味付けが多い。

と、なってしまいました。

しっかりとした予算で
洗練された効果と演出が出来れば…
かなり化けるのではないかな、と。
個人的には同じ脚本で、完全なPOVではない形式の
作品が見たいなー、と思いました。

少し否定的な感想が多くなりましたが、
良いところがいっぱいあって面白いですよ。

シリアスで不幸な終末世界。
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2012年07月09日

ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春



監督 : ブレッド・ピアス、ドリュー・T・ピアス
出演 : マイケル・マッキディ、ロス・キダー 他

DEADHEADS / 2011 America

監督・脚本はゾンビ界の寵児、ピアス兄弟。
「死霊のはらわた」でSFXを担当した
バート・ピアーズを父に持ち、
同作品の撮影現場で育ったという…
なかなかにワクワクする英才教育っぷりですね。

設定は近頃流行りつつある"半ゾンビ"でして、
主役の二人にはハッキリとした意思があります。
つまり、中身(だけ)はまるっきり人間なわけで、
これが青春ロードムービーからラブコメまでを
演じてくれるんですから、それはもう、
非常に愉快な事になりますよね、うん。

ストーリーはありふれた構成で、
ゾンビ映画のお約束、コメディのお約束、
青春ムービーのお約束などなどをしっかりと網羅。
そして、その全てを逆手に取ってくるという
素晴らしくニクい仕上がりです。

この監督兄弟は映画やゾンビ、アメコミなんかが
大好きなんだろうなぁと思いますねぇ。

冒頭で蘇った生真面目な半ゾンビ君は
もう一人の半ゾンビ、
軽口の軟派野郎と出会いまして、
愛する女性に会いに行こうと…
ゾンビならノロノロと歩いて行くんでしょうが、
この二人は違いましたねぇ。
本物のゾンビ一体を引き連れて、
ヒッチハイクで旅に出ます。

わお!(笑)

かくして、
人間一人と半ゾンビ二人、ゾンビ一体という
夢のようなチームでの旅路が始まりました。
いやぁ、半ゾンビとは素晴らしい。
人間とも話せるし、ゾンビには襲われない。
多少の致命傷も平気な顔で切り抜けられますしね。

旅路には涙あり、笑いあり、
下品な下ネタにバカな悪役や感動的なシーンも。
"お約束"といえる展開や状況も
主役が半ゾンビとなるとこんなにも新鮮さに溢れる。

素晴らしい!

またこれが良いチームなんですよ… 絶妙の。
主人公二人の活き活きとしたゾンビっぷりは
親近感を感じずにはいられませんし、
存在感抜群で人間側の主役といえる
ロックでロマンチックな老人のかっこよさ。
そして純粋で純真なゾンビの「チーズ」には愛着心に
火を付けられましたよ。

物語は安心感のある笑いに満ち溢れ、
ほどほどのグロさも明るめに表現されています。
これほど心地良いゾンビ作品は希少ですねぇ。

見事な手腕で作品を仕上げた監督兄弟。
素晴らしい演技とキャラクターで
登場人物を演じ切った役者さんたちに万雷の拍手を。

☆見所としましては

テンポの良い展開と会話。
それをゾンビが繰り広げるという新鮮さ。
そこに溢れるゾンビ愛、映画愛。

これが青春だ!

そしてまた良い画が多いんだ。ホント。
(特にゾンビ好きにとっての、ですが)

☆総評としましては

★★★★+0.7 / 笑って、泣けて、また笑える!

細かな点まで練り込まれていて、
前評判での期待に見事に応えてくれました。
ゾンビ・コメディの傑作がまた一つ!

これはとても"ゾンビを愛せる"作品なので、
特にゾンビ好きじゃない人達に奨めてみるのも
良いかと思いますね。

うん、何度も見よう。
エンドロールのオフショットがまた最高。
傑作です、アナタも是非!



YouTube - ゾンビ・ヘッズ 予告編
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2012年07月06日

ゾンビ大陸 アフリカン



監督 : フォード・ブラザーズ
出演 : ロブ・フリーマン、プリンス・デビット・オセイア 他

THE DEAD / 2010 UK

意外や意外。
ゾンビ史上初というアフリカを舞台にした
大陸のスケール感溢れる作品。

美しく壮大なアフリカ大陸の風景に映える
骨張った漆黒のアフリカン・ゾンビ!
控えめなメイクでしたが個々に迫力があり、
「死者の負のエネルギー」の様なものを感じました。

うーん、素晴らしい存在感だ。

物語冒頭で砂漠を背景に最初のゾンビが登場。
右脚が壊れていて、その骨の音が良い!
ここでの一悶着を見て期待感は急上昇。
クオリティの高さが垣間見えました。

場面は変わって飛行機内と小さな村での惨状、
ゾンビ・ハザードが始まります。

※ゾンビはノロノロぼんやりの食欲タイプで
個体での脅威は少ないながら、
数としつこさで迫ってくるジックリとした攻め。

そして物語は展開し、
青い目の白人オジサマと、村を襲われ
行方不明になった息子を探す黒人兵士が出会います。
物資を求め、村から村へと渡るロードムービーへ。

広大なアフリカ大陸でもゾンビの数は多く、
油断しているとすぐに囲まれてしまいそうですね。

ロケーションがとても良い。
強く美しい陽射しに赤い土、真っ暗な夜。
背の高い植物の隙間から現れるゾンビ。
朝焼けや夕焼け。血や炎。
うん、この作品は本当に色が美しい。

ゴアやグロ表現はなかなかに凄まじく、
かつ、素晴らしいハイクオリティ。
顔面に大穴や車で頭をグシャっとするシーンも。
苦手な方は顔を背けるシーンが数多くあります。

全体的には、
ストーリーが重く、実に硬派な展開をしながらも
壮大なアフリカの大地がゆったりとした…
どこかのんびり出来る様な終末観を持たせてくれます。
この雰囲気を味わえるだけでも、
この作品は大成功だと言えると思います。

細かな粗も見当たりはしますが、
本当に硬派で完成度の高い傑作ですね。

☆見所としましては

アフリカ大陸の壮大なスケール感と
ゾンビ一体一体の存在感!
近年のゾンビ作品はゾンビの個体が
あまり迫力を持たないと嘆いている方にお勧めです。

☆総評としましては

★★★+0.8 / 救いは潰えるが希望は残る。

と、なりました。
これは心に残るゾンビ作品ですよ。

キーワードは「存在感」ですね。
ゾンビの個体もそうなんですが、
風景やセリフにも感慨深いものを得られました。

"心に残る"というよりも"心に写り込む"
と言った方がしっくりくるかもしれません。

いやぁ、お見事。
結構、お腹いっぱいになる作品なので、
次はまた何年後かに見たいと思います。



YouTube - ゾンビ大陸 アフリカン 予告編
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