2012年08月04日

ゾンビ・クロニクル



監督 : マイケル・バーレット
出演 : フィリップ・ブロディ、アレックス・ウィルトン・リーガン 他

WORLD OF THE DEAD: THE ZOMBIE DIARIES 2 / 2011 UK

個人的にはちょっと苦手なPOV(主観視点)の作品。

オープニングは家庭用ビデオカメラでスタート。
んー、どうにもぎこちない映像ですが、
終末世界の最初期っぽさは少し出ているかと。

場面は変わって従軍カメラマンが登場。
ここから先はそのカメラの映像で展開していきます。
余計な表記はないですし、
POVの理由付けとしても、まぁ、妥当かと思います。

※POVにはどうしても理由付けが必要で、
そこに説得力がないとすごく気になるんですよね。

「いや、なんでその状況でカメラ構えてるねん」

って、やつです。

物語はドキュメント風に進行しますが、
軍隊の生き残り数名でのサバイバル逃亡劇。
そこに敵の不良グループみたいのが絡んで、
ゾンビの群れの中で人間対人間の閉塞感が…

非常にありがちな構成ながら、
緊張感のある状況と不幸な展開がなかなかに良い。
登場人物の視点で映る映像には没入感があり、
それゆえに緊迫した雰囲気は伝わってきますね。
ただ、話のスケールには制約がかかってしまい、
小さな盛り上がりに終始するのが少し残念。
※これもPOVの弊害ではないかと思うんです。

役者さんたちは堂々としたソツのない演技。
小道具や衣装、ロケーションも良い。
そして脚本がなかなかに素晴らしく、
終末に向かう状況の描き方は似た風合いの作品の中で
一歩、抜きん出ていると感じます。

が、それを邪魔している要素がチラホラと。

時間軸の違う映像が所々で差し込まれるんですが、
これは蛇足、と言いますか、何故挿入するのか…
興味を引きたいという狙いなんだとは思います。

そしてなによりも映像の編集技術とセンス。
シーンの切り替えでノイズや映像の乱れなんかを
使用されていますが、これがなんとも安っぽい。
ここに大きな違和感を感じてしまって、
フッと… 冷めちゃうんですよね。

どちらにも言える事は、
「没入感を無くしてしまう」という致命的…
そう、POV作品には致命的な欠陥なんですよ、恐らく。

うーん、もったいない。

ゾンビメイクや群れの数、戦闘(主に銃撃戦)は
かなり健闘していて、なかなかの完成度。
(まぁ、なんとなく低予算の限界は見えてしまいますが)

ゾンビはゆっくりモタモタ、攻撃性も少し緩めタイプ。
脅威としてはさほどでもないんですが
群れとしての見せ場が結構ありますので、
牧歌的な恐怖を感じたい方にはお勧めかもしれません。

☆見所としましては

暗闇から至近距離に現れるゾンビのアップでしょうか。
カメラの目の前にヌボーッとくるのはなかなか。

そしてやはり脚本が良い、地味な良さです。

☆総評としましては

★★+0.5 / おしい。無駄な味付けが多い。

と、なってしまいました。

しっかりとした予算で
洗練された効果と演出が出来れば…
かなり化けるのではないかな、と。
個人的には同じ脚本で、完全なPOVではない形式の
作品が見たいなー、と思いました。

少し否定的な感想が多くなりましたが、
良いところがいっぱいあって面白いですよ。

シリアスで不幸な終末世界。
posted by DM at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / B級
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