2012年03月01日

少女ゾンビ



著 : ヒロモト森一

少女ゾンビ 全1巻

この作品に感じるものは「衝動」と「意思」
展開には勢いがあり、あらゆる登場人物達に
感情の爆発の様なものがあります。
弱さに底にある、怒りにも似た生命の咆哮。

絵は荒く、ラフ画の様な仕上がりで
それゆえの迫力があり、物語の雰囲気には最適。
ゴアや変態的な表現は想像力を強く喚起し、
その描写は実にバイオレンスかつエロス。
暴力的、性的本能を刺激する見事な出来栄えです。

物語は、どこか腐ってしまった現代日本を背景に、
ある少女が属する一家を中心に描かれています。
それはもう、捻じ曲がった鬱屈感のある一家が。

※一家以外の登場人物が少し面白く、
歌姫「AYA」やアイドルの「ヴァッキーナ」に
浅生首相の秋葉原演説など。

ゾンビの発生から犠牲者が増えていく様子や
局地的パンデミックでの惨劇、抗う姿など、
時系列は少しシャッフルされていて
混乱した世界観を上手く感じる事が出来ました。
特にゾンビの存在やその脅威を理解出来ず、
肉体的な痛みを感じてから危機感を得る鈍さ・・・
そういったリアリティに恐怖を感じましたね。

ゾンビがしっかりと「化け物」として存在し
人間とゾンビとの闘いが重く、怖く、
そして勢いよく描かれています。
ダークヒーロー的な要素も良いですね。

作者さんの衝動と情熱、それをそのまま
この作品に感じる事が出来た気がします。
「ゾンビ」は集団的狂気、集団暴力。
惨劇はホラーではなくバイオレンスだと思いました。
この部分をしっかりと描いたゾンビ漫画は貴重ですね。

これは面白い。
タグ:漫画 ゾンビ
posted by DM at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビブック
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