2012年07月11日

ゾンビアンソロジーコミック



作家陣 : 道満晴明、川那辺雅弘、玖倉しいち、百福、浜田ぢゅんいち、鐶九朗、みずのもと、三星めがね

ZOMBIE ANTHOLOGY COMIC

道満さんの名前と表紙につられて購入しましたが、
そもそも、ゾンビのアンソロジーコミックが
出版されるというのは、うん、なかなかに。
ゾンビの人気もここまできたか… と。

道満晴明さんはさすがの個性と空気感。
緩いようでいて何処かせつなく、
飄々と明るい様な、重い様な、オチまで
上手く纏まった期待通りの完成度でした。
甘酸っぱい青春とそこに刺す強い毒素。
どっこい、最後はクスっと終わります。

他に気になったのは川那辺雅弘さんで、
明るく可愛い絵柄に時代劇(戦国)の設定。
素直に笑えるシンプルさが良かったです。
時代劇とか鎧とゾンビって好相性ですよねー。

ギャグ漫画チックに描いているのはこの御二方で、
他の方々はシリアスで重苦しい雰囲気の作品。
ただ、あまりゾンビ達に存在感が無く、
"ゾンビ"を題材にしただけ、と感じてしまいました。

随一の長編を描かれた百福さん。
脚本としては光るものがあり、
実写やアニメになると面白いかもしれませんね。
※序盤でオチが予測出来てしまったので、
その部分を上手く誤魔化せればなぁと思います。

んー、全て読み終えまして、
あまり読み応えはなかったですかねぇ。

ゾンビを題材にするとなると、
世界観の統一みたいなものが必要かも。
んー、つまりは
ゾンビものは短編アンソロジーには向かない。

そんな事を思いました。

いや、しかし。
やはり道満さんは素晴らしい。好きです。
posted by DM at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビブック

2012年07月09日

ゾンビ・ヘッズ 死にぞこないの青い春



監督 : ブレッド・ピアス、ドリュー・T・ピアス
出演 : マイケル・マッキディ、ロス・キダー 他

DEADHEADS / 2011 America

監督・脚本はゾンビ界の寵児、ピアス兄弟。
「死霊のはらわた」でSFXを担当した
バート・ピアーズを父に持ち、
同作品の撮影現場で育ったという…
なかなかにワクワクする英才教育っぷりですね。

設定は近頃流行りつつある"半ゾンビ"でして、
主役の二人にはハッキリとした意思があります。
つまり、中身(だけ)はまるっきり人間なわけで、
これが青春ロードムービーからラブコメまでを
演じてくれるんですから、それはもう、
非常に愉快な事になりますよね、うん。

ストーリーはありふれた構成で、
ゾンビ映画のお約束、コメディのお約束、
青春ムービーのお約束などなどをしっかりと網羅。
そして、その全てを逆手に取ってくるという
素晴らしくニクい仕上がりです。

この監督兄弟は映画やゾンビ、アメコミなんかが
大好きなんだろうなぁと思いますねぇ。

冒頭で蘇った生真面目な半ゾンビ君は
もう一人の半ゾンビ、
軽口の軟派野郎と出会いまして、
愛する女性に会いに行こうと…
ゾンビならノロノロと歩いて行くんでしょうが、
この二人は違いましたねぇ。
本物のゾンビ一体を引き連れて、
ヒッチハイクで旅に出ます。

わお!(笑)

かくして、
人間一人と半ゾンビ二人、ゾンビ一体という
夢のようなチームでの旅路が始まりました。
いやぁ、半ゾンビとは素晴らしい。
人間とも話せるし、ゾンビには襲われない。
多少の致命傷も平気な顔で切り抜けられますしね。

旅路には涙あり、笑いあり、
下品な下ネタにバカな悪役や感動的なシーンも。
"お約束"といえる展開や状況も
主役が半ゾンビとなるとこんなにも新鮮さに溢れる。

素晴らしい!

またこれが良いチームなんですよ… 絶妙の。
主人公二人の活き活きとしたゾンビっぷりは
親近感を感じずにはいられませんし、
存在感抜群で人間側の主役といえる
ロックでロマンチックな老人のかっこよさ。
そして純粋で純真なゾンビの「チーズ」には愛着心に
火を付けられましたよ。

物語は安心感のある笑いに満ち溢れ、
ほどほどのグロさも明るめに表現されています。
これほど心地良いゾンビ作品は希少ですねぇ。

見事な手腕で作品を仕上げた監督兄弟。
素晴らしい演技とキャラクターで
登場人物を演じ切った役者さんたちに万雷の拍手を。

☆見所としましては

テンポの良い展開と会話。
それをゾンビが繰り広げるという新鮮さ。
そこに溢れるゾンビ愛、映画愛。

これが青春だ!

そしてまた良い画が多いんだ。ホント。
(特にゾンビ好きにとっての、ですが)

☆総評としましては

★★★★+0.7 / 笑って、泣けて、また笑える!

細かな点まで練り込まれていて、
前評判での期待に見事に応えてくれました。
ゾンビ・コメディの傑作がまた一つ!

これはとても"ゾンビを愛せる"作品なので、
特にゾンビ好きじゃない人達に奨めてみるのも
良いかと思いますね。

うん、何度も見よう。
エンドロールのオフショットがまた最高。
傑作です、アナタも是非!



YouTube - ゾンビ・ヘッズ 予告編
posted by DM at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / B級

2012年07月06日

ゾンビ大陸 アフリカン



監督 : フォード・ブラザーズ
出演 : ロブ・フリーマン、プリンス・デビット・オセイア 他

THE DEAD / 2010 UK

意外や意外。
ゾンビ史上初というアフリカを舞台にした
大陸のスケール感溢れる作品。

美しく壮大なアフリカ大陸の風景に映える
骨張った漆黒のアフリカン・ゾンビ!
控えめなメイクでしたが個々に迫力があり、
「死者の負のエネルギー」の様なものを感じました。

うーん、素晴らしい存在感だ。

物語冒頭で砂漠を背景に最初のゾンビが登場。
右脚が壊れていて、その骨の音が良い!
ここでの一悶着を見て期待感は急上昇。
クオリティの高さが垣間見えました。

場面は変わって飛行機内と小さな村での惨状、
ゾンビ・ハザードが始まります。

※ゾンビはノロノロぼんやりの食欲タイプで
個体での脅威は少ないながら、
数としつこさで迫ってくるジックリとした攻め。

そして物語は展開し、
青い目の白人オジサマと、村を襲われ
行方不明になった息子を探す黒人兵士が出会います。
物資を求め、村から村へと渡るロードムービーへ。

広大なアフリカ大陸でもゾンビの数は多く、
油断しているとすぐに囲まれてしまいそうですね。

ロケーションがとても良い。
強く美しい陽射しに赤い土、真っ暗な夜。
背の高い植物の隙間から現れるゾンビ。
朝焼けや夕焼け。血や炎。
うん、この作品は本当に色が美しい。

ゴアやグロ表現はなかなかに凄まじく、
かつ、素晴らしいハイクオリティ。
顔面に大穴や車で頭をグシャっとするシーンも。
苦手な方は顔を背けるシーンが数多くあります。

全体的には、
ストーリーが重く、実に硬派な展開をしながらも
壮大なアフリカの大地がゆったりとした…
どこかのんびり出来る様な終末観を持たせてくれます。
この雰囲気を味わえるだけでも、
この作品は大成功だと言えると思います。

細かな粗も見当たりはしますが、
本当に硬派で完成度の高い傑作ですね。

☆見所としましては

アフリカ大陸の壮大なスケール感と
ゾンビ一体一体の存在感!
近年のゾンビ作品はゾンビの個体が
あまり迫力を持たないと嘆いている方にお勧めです。

☆総評としましては

★★★+0.8 / 救いは潰えるが希望は残る。

と、なりました。
これは心に残るゾンビ作品ですよ。

キーワードは「存在感」ですね。
ゾンビの個体もそうなんですが、
風景やセリフにも感慨深いものを得られました。

"心に残る"というよりも"心に写り込む"
と言った方がしっくりくるかもしれません。

いやぁ、お見事。
結構、お腹いっぱいになる作品なので、
次はまた何年後かに見たいと思います。



YouTube - ゾンビ大陸 アフリカン 予告編
posted by DM at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビ映画 / B級