2012年04月27日

アイス・オブ・ザ・デッド



監督 : ジェイソン・ロバート・スティーヴンス
出演 : ジェイムズ・カイソン・リー 他

Blood Snow / 2009 America

吹雪の山小屋、軟禁状態での錯乱もの。
タイトルとジャケットでゾンビ作品かと思いましたが、
残念ながらゾンビっぽい描写がほんのチョットある、
というくらいのシチュエーション・スリラー。

前半は三組のカップルの関係性を表そうと、
まぁ、いわゆるひとつの頑張ってます。
前振りとしてはかなり長く、
なかなか本筋は始まってくれません。
ただ、この部分はそこそこにテンポが良く、
役者さんたちに魅力があるおかげで場持ちはします。
お色気もチラホラ。

後半へのフリとして
"悪夢を見て目を覚ます"がしつこくあるんですが、
映像の作りがちょっと残念なセンスで、
中途半端な煽りになってしまった気がします。
悪夢は悪夢、現実は現実と
はっきりとした区別をつけたかった。
この部分が邪魔をしてしまって
クライマックスに向かっても恐怖感が感じにくく、
犠牲者が出ても「フーン」程度の
感想になってしまいました。

映像と音楽はどうにもチープ、というか
あまりセンスがよろしくない。
映像に説得力がなかったり、
音楽が場に合っていなかったりと、
ここでも雰囲気を盛り下げてしまいます。

そして後半は説得力の崩壊と共にテンポがガタ落ちし、
前フリ部分の方が楽しめたと思わせるガッカリ感。
ゾンビ分としては、
実体くさいゴースト(幻覚?)や、人喰いの伝説話として
登場するのが精一杯。

役者さん達は本当に魅力的で、
上手い演技と色気のある風貌で楽しませてくれます。
舞台設定も良く、カップルの会話も悪くない。
それだけに、
方向性の定まっていない様なストーリーが残念です。

悪霊に悩まされて、徐々に精神が崩壊していく、
というのは実に王道で楽しい展開のはずなんですが、
あらゆる魅力を自ら壊してしまっていますねぇ。

どうしたかったんだ。
なんだかもったいないなぁ。役者さんたちが。

☆見所としましては

男性陣も女性陣も華があります。
ただ、一番印象に残っているのは、本筋に
全く関わりのないおっぱい要因のお姉さんでした。
この人の裸ゾンビが見たかったなぁ。
セクシー。

☆総評としましては

★★ / もう少し狙いを絞ったほうが良い。

な、感じでした。
どうにもフワッとした雑さが出てしまい、
残念ながら物語には入り込めませんでした。

メインゴーストっぽい人の
ゾンビメイクは可愛くて良かったです。
ちょっとわざとらしいですが。

うーん。
雪山と血って相性が良いと思うんですが、
その辺もほとんど有効ではなかったですね。
似非ゾンビがチラッと出てくる
サイコ・スリラーっぽい雪山もの。



YouTube - アイス・オブ・ザ・デッド 予告編
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2012年04月13日

さよならディストピア



さよならディストピア / 2012 Japan

監督 : 野江 早杷子
製作 : ピンクじゃなくても
(映画「さよならディストピア」公式サイト)

全編をiPhoneで撮影という意欲作。
"宣伝文句"にとどまらず、制約のある
iPhone特有の画作りを、素晴らしいセンスで
最大限に活かした映像が見られました。

それは例えば、手ぶれであったり、
コントラストの限界であったり。
色的な輪郭の曖昧さ、と言うのでしょうか。
黒は黒、白は白、空は空といった具合に
その対比がごちゃごちゃとせず、
シンプルで効果的に画面を構成しているなぁ、と。
日常から切り取られた、
その一瞬の風景の美しさにハッとしました。

手ぶれ、に関してですが、iPhoneの揺れは
他のビデオカメラとは質が違う気がします。
あまり映像の中身をはっきりと認識できない事が
上手く演出として使われていた場面が多くあり、
次にカメラを固定する事で、
映像の雰囲気にはっきりとした対比が出来上がる。
うん、これもコントラストですね。見事。

そして音響がまた素晴らしい。
サイレンや鳥の声、足音や音楽が憎いほどに上手い。
同時に鳴らす音にも対比があり、
作品の世界観を何倍にも高めていると思います。

物語は終末世界の叙情詩。
常識の"今"が壊れてしまった後を描いたもので、
そこにはやはり物悲しさが満ちていて、
ある意味では穏やかな日常ともとれる無気力さが。
30分弱と短い作品ですが、
始まりから終わりまでがしっかりと完成されています。

これ以上はなく身近になった撮影機材として
日常に迫るリアリティがあり、
本当に"iPhoneならでは"の撮影技術で、
暗めにぼやけた映像や光が入り過ぎる事を
これほど上手く演出として利用した手腕はお見事です。

限界を感じる点としましては、やはり手ぶれの質。
あまり多用すると作品全体に
少しごちゃついた印象を与えるのではないでしょうか。

以上、
全編iPhone撮影という点にこだわったレビューです。
ここからは少し内容について。
ほんの少しネタバレ感がありますので、
出来れば視聴後にお読み頂けると幸いです。

全体的に、動きは穏やかで薄暗く、
心情の描写は風景に現れていますよね。
劇中でもiPhoneでの自画撮りを挟む事で
また強く身近さを感じ、
世界観への没入を誘ってくれました。

ゾンビ好きとしましては、雰囲気重視の作りは
少し物足りないかなと思ったんですが、
最後にしっかりとやってくれましたね。
ここの映像演出と演技、音も凄く好きです。

一つだけ残念だったのが英語字幕が入っていた事。
ドア一枚向こうの世界の様なリアリティが
見慣れない英語字幕がある事で少し入りきれなかった。

※お聞きしたところ、
近日中に字幕なしバージョンの公開があるそうです。
二度目はこれをお待ちして、
またじっくりと楽しませて頂きます。

(4/18 追記)

公式サイトにて英字幕無し版が選択出来ます。

しかし素晴らしい完成度でした。
一言で表すなら"対比の調和"と言わせて頂きたい。
このセンス、本当に凄いと思います。

まだまだ、何度も拝見させて頂きます。
素晴らしい作品と作り手の方々に喝采を。拍手!

2012年04月12日

KURI of the DEADさまをご紹介。

ゾンビブログ主として先輩にあたるkuriさんの
ホラー押し映画レビューブログ。

KURI of the DEAD

タイトルからしてof the DEADなわけですが
掲載作品はスプラッタ、スラッシャーやオカルト、
サスペンスやモンスターなど多岐に渡り、
レビューは詳しい内容と冷静かつユーモアのある
ツッコミを交えながらの丁寧なもので、
その作品を見たかの様な読後感があります。

各作品の最後に「MARKING」として
要素ごとの★数評価があるんですが、
定型の三つに加えて作品の特徴を一言で表す
一文が魅力ですねぇ。

本格的なホラーからコメディチックな怪作品もあり、
ホラーファンには実に楽しめる内容。
僕も積極的に見習いたいと思います。
これからもよろしくどうぞー。
posted by DM at 17:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ゾンビ日誌

2012年04月08日

シネマと遊ぶな子どもたち様をご紹介。

その名も直球な映画大好き人間さんの
映画ブログを二つご紹介。

アバンギャルドなデザインの新ブログ
シネマと遊ぶな子どもたち
(アンダルシア・カリガリさま)

なにかと突き抜けた感のある芸術的な構成に
これからの発展を期待せずにはいられません。
映画レビューから逸脱した部分を隠さずに
無茶な文章を綴って欲しいと期待しております。

まだまだ記事は少ないですが、
マイペースに楽しくやって頂きたい。

タグクラウドに「つまようじ」があるのは
一体どういう事なのでしょうか。

イチ押しブログです。


愛情あふれる怒涛のレビュー劇
映画大好き人間の部屋
(映画大好き人間さま)

勢いと疾走感を感じる独特の語り口。
そこに作品のみならず役者さんや監督、
映画に関わる諸々への深い愛を感じます。

そして独自の特集記事が実に面白い。
当ブログ的には
オールタイムゾンビ映画ベスト10!
でしょうか。
他の特集も楽しく読ませてもらってます。
記事や企画の面白さに大きな写真も見れて
「一緒に楽しめる感」の強い素敵なブログですね。

映画を楽しみ、映画によって人生を楽しむ。
そんな喜びに満ちていますねぇ。

ん?・・・褒めすぎた?

是非ともご本人にお会いしてみたいです。
その際にはよろしくどうぞー。
タグ:更新履歴
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2012年04月07日

地獄のゾンビ劇場さまをご紹介。

jigoku_zombie_01.jpg

地獄の血みどろマッスルビルダー
監督兼主演であるdoragodonさんのブログ
地獄のゾンビ劇場」をご紹介。

映画レビューは珍作・怪作が中心という事で、
他ではお目にかかれない珍しい作品が。
率直な感想の中に監督ならではの着眼点があり、
読んでいて「なるほど」と、とても面白いです。
ゾンビ映画研究・雑談のカテゴリには
映画愛やゾンビ愛をヒシヒシと感じますし、
制作に関わる裏話やゾンビへの考察は実に興味深い。

ゾンビ映画秘宝館には感動いたしました。
これは是非見に行ってもらいたい。
なんと「ゾンビ」の宣材写真集が。凄い!!

他に制作日記などもあり、
本当に恐ろしく内容が濃いのでなかなか読み切れない。
これからもじっくりと拝見させて頂きます。

(以下「地獄の血みどろマッスルビルダー」レビュー)

驚愕の自主制作映画
「地獄の血みどろマッスルビルダー」

予告動画を見てから発売を心待ちにしていましたが、
じっくりと時間をかけた作品は素晴らしい完成度!
前半の緻密な映像演出からは想像もつかない
後半のはっちゃけた構成に度肝を抜かれました。

フィルム撮りの映像は懐かしくも美しい。
映像の画素が粗い事が作品の格を上げていますね。
怪奇ホラーの肝であるおぞましさや
ドッキリの仕掛け具合も万全で、
クライマックスに散りばめられたとぼけた要素が
緊迫感の中での笑いを誘ってくれます。

まさかのマッスル・・・

役者面では、みなさん時代がかった存在感があり、
化け物役の甲斐さんの怪演が実に素晴らしかった。
深沢さんのキメ顔連発には妙な愛着が湧きますねぇ。

特殊効果こそ自主制作の限界を感じさせるものですが、
工夫された演出と自由な発想が新鮮で良かった。
生首+手なんてのは感嘆の声が漏れましたよ。

怪奇ホラー+ゾンビ要素が上手く纏まっており、
ホラーとしての和製ゾンビ映画の未来は
ここにあるんじゃないかと思います。
前半は恐怖感満載、懐かしい映像美抜群。
後半は爆笑と驚き必至の傑作作品でした。拍手!

今回はご紹介がてらですが、後日、また改めまして
一作品としてレビューさせて頂きます。

jigoku_zombie_02.jpg

初回限定版には没タイトル集と解説の小冊子、
NG集ディスクとナンバーカードが。
ちなみに僕は018/100でした。ちょっと遅かったか。

どれも嬉しいオマケだなぁ。
特に小冊子が面白かったです。
posted by DM at 17:26| Comment(2) | TrackBack(0) | ゾンビ日誌